民主党政権は、外国人参政権を政府案としていまの国会に
提出しようとしています。当初は反対意見が多いことを考慮して、
千葉法務大臣が慎重な姿勢を見せていたのですが、たぶん
小沢一郎幹事長の強い意向によって、それでも提出したわけです。
民主党は、外国人参政権法案を本気で成立させようとしているようです。
私はもちろんこの法案には、断固反対です。
かつて私は、外国人を労働力として受入れる政策、「外国人研修制度」の
法案を成立させた経緯があります。1981年に始まったこの制度は、
国際協力を目的に海外からの研修生を受け入れて、主として中小企業に
蓄積されている技能を修得してもう目的で創設しました。
当時は、バブル経済で日本国内の人件費が高騰し、中小企業を中心に
求人難という事態が起こっていたため、1年間の研修期間の後、
2年間は技能実習生として、実際の作業に従事することができるように
しました。現在は64業種、120作業に及んでいます。
つまりこの制度は、不足がちな業種に研修生として外国人を受入れ、
一定期間経た後に母国に帰ってもらうものです。こうした制限を設けたのは
そのまま定着した場合に、欧州などで見られる人種間の紛争の種を
残さないためです。
3Kと言われる仕事を日本人はせず、外国人にだけやらせるようなことに
なれば、階級制度のようになってしまいます。
規制緩和の結果、かなりの仕事の分野に外国人研修生を受入れることが
出来るようになりました。現在では、約8万人の研修生が日本にいます。
一方、外国人の永住権も規制が緩和されてきました。犯歴がなければ
希望する外国人(10年以上の日本在住)に付与されます。
こうした外国人に対する規制を緩和してきた経緯があるのですが、そうした
永住権を持った外国人に地方参政権を与えるというのが今回の法案です。
納税の義務を果たしているから参政権を付与されるべきだというのです。
外国人の地方参政権を求めているのは、昔も今も在日本大韓民国民団です。
一部の幹部が十年ほど前から急に強く主張するようになりました。
当時、自民党にも賛成派がいましたが、党内の議論で法案は潰れました。
私も「民団」幹部の皆さんと活発な議論をしてきました。
在日韓国人の国籍に関しては、明治時代の日韓併合で強制的に日本国籍と
なっていたものを、太平洋戦争後のサンフランシスコ講和条約で、当時の
日米韓の政府間で合意して、本人たちの知らないうちに元の国籍に戻して
しまったのです。
この段階でご本人たちに選択の余地が与えられるべきでした。日韓併合から
太平洋戦争が終わるまでの長い期間に、二世、三世の時代になっていました。
子や孫は日本で生まれ日本で育ったわけで、殆どの人が韓国語を知らない。
つまり、日本人としてのアイデンティティを持っていたのです。
そうした歴史的事実を踏まえて私たちは、サンフランシスコ講和条約で
日本国籍を失った在日韓国、北朝鮮の人たちとその子孫には、無条件で
日本国籍を取得する機会を与える法案を作成しました。
ところが、民団幹部の一部から「地方参政権法案を阻害する法案だ」と
猛反発されて潰れてしまいました。おそらく、民団の多くの人々が日本に
帰化してしまうであろう。そうなれば組織が崩壊するという危惧を抱いた
のではないかと思います。
「日本人が日本人であり続けることの是非、つまりアイデンティティの問題」
このように経済、すなわち労働力の門戸は開放したわけですから、あとは
公民権を解放しようというのが外国人参政権です。それは、取りも直さず
日本人のアイデンティティを軽んずることになります。
国籍を空気のように思っている人が多いのではないでしょうか。
国籍を持つということは、参政権などの権利も有することになりますが、
独立国家の日本のアイデンティティを持つ義務も生じることを
忘れてはいけません。
在日の皆さんに私が言ってきたは、国籍を選ぶときに考えていただきたい、
可能性はほとんど無いけれども、万が一日本と韓国が戦争になれば、
どちらにつくかをはっきりさせることなのです。
韓国の方につくのならば韓国籍を、日本につくと決心したならば日本国籍を
取得すればいいのです。国籍を持つにはそれだけの決意が必要なのです。
聖徳太子の時代、超大国・中国の隋の煬帝に「日出ずる国の天子から」で
始まる有名な書簡を送り、高らかに独立を宣言して以来、1300年間
独立を維持してきました。
この法案は、その先人の勇気と努力を無にする、蟻の一穴になるかも
しれません。外国人一般に国籍を与える場合には、その外国人が
日本人としてのアイデンティティを持つに充分な時間が必要で、
それに相当する制限を設けておかなければなりません。
外国人一般人の地方参政権の自由化は、国籍取得の自由化を招き、
それは人口大国中国に隣接する日本にとっては、独立性を損なう
おそれが生じる特殊事情があります。
永住権を得た外国人の二世が16歳になったときに、日本国籍を選択できる
ようにするというぐらいでよいのではないでしょうか。
1300年間の独立を維持するには、国籍や参政権についてあらためて考える
必要があるのです。